料理・飲み物の仕上がりは「水」で決まる!
最近では料理や飲み物をおいしく楽しむために、水にこだわる人が増えてきました。「水なんかでおいしさに違いが出るの?」「どんな水をどう使えば良いかわからない」そう思われる方もなかにはいるでしょう。そこで今回は、料理・飲み物と水の関わりについて説明します。
料理・飲み物の仕上がりを左右する「水」について
料理や飲み物を作るときに使用する水は、料理や飲み物にどう影響するのでしょうか?
与える影響1. 「味」
使う水によって料理や飲み物の「味」に違いが出てきます。当然、水に臭いがあれば食材や飲み物に移るためおいしく仕上がりません。よく言われているのがご飯。お米をとぐ前は乾燥しているため、最初に触れた水を勢いよく吸収します。このときに使う水が臭いのあるものであれば、ご飯は水と一緒に臭いまで吸収し炊きあがるのです。
料理や飲み物に使う水にこだわることは、「味」にこだわると同じと言っても過言ではありません。
与える影響2. 「香り」
お茶やウイスキーやブランデーの割りものは「香り」は何と言っても香りが重要ですよね。水は香りを引き立てることができれば、損なうことだってあります。素材本来がもっている香りを引き出し楽しむためには、臭いのない水を選ぶことが必須です。
与える影響3. 「食感」
使う水によって違いが出る部分として、「食感」もあります。パスタなどの麺類はゆでる時間によって、柔らかかったり固かったり、歯ごたえがあったりなかったりと食感に違いが現れます。そして麺がゆであがった後に冷水で締めることによってコシが生まれます。
料理を食べておいしいと感じるためには食感が大切。上手に水選びをすれば、歯ごたえや舌触りが良いと感じる料理が楽しめるようになります。
水の選び方
ここまででは、水がどのように料理や飲み物に影響するのかを説明してきました。続いては水の選び方です。今では、把握しきれないほどさまざまな水が売られています。料理や飲み物に合わせた水の選び方をおさえておきましょう。
選び方1. 「軟水か硬水か」
飲み物や料理に使う水選びで真っ先に気にしたいのが、「軟水」か「硬水」か。軟水・硬水の区別は、水に含まれるミネラル成分(カルシウムとマグネシウム)の含有量によって決まります。
簡潔的に言うと、含有量が少ない水が「軟水」、多い水が「硬水」となります。この硬度(軟水・硬水)は料理や飲み物作りの仕上がりに大きな影響を与えます。下記をご覧ください。
◇「軟水」が与える影響
- ・ご飯をふっくら炊きあげる
- ・煮物料理に使うと、柔らかく仕上げることができる
- ・だしを取るのに使うと、繊細なうまみが出る
- ・お茶やお湯割りに使うと、素材本来の味や香りを引き出せる
◇「硬水」が与える影響
- ・ピラフなどにご飯をパラパラに仕上げたいときに最適
- ・パスタをゆでるときに使うと、麺にコシが出て歯ごたえが良くなる
- ・コーヒーをいれるときに使うと、多く含まれるカルシウム成分のおかげで苦みが和らぐ
- ・牛肉を煮込むときに使うと、アクが出やすくなる
選び方2. 「水道水かミネラルウォーター」
硬水か軟水かの他に、料理や飲み物を作るときに、水道水を使うべきか購入したミネラルウォーターを使った方が良いのかというところも気になりますよね。水道水とミネラルウォーターがどのように料理や飲み物に影響を与えるのか下記で確認してみましょう。
◇「水道水」が与える影響
- ・殺菌消毒のために用いられた残留塩素による「カルキ臭」
- ・地域・住宅環境による水の汚染
日本の水道水は世界でもトップクラスと言われているほどの安全性があり、厳重に品質検査を行っているためそのまま飲んでも問題がないとされています。しかし、上記2つは料理や飲み物に影響する場合もあります。
これらの影響が気になる場合は、水道に浄水器を取り付けるのが対処方法。浄水器によって水がろ過され、水道水の残留塩素や不純物を取り除くことが可能です。
◇「ミネラルウォーター」が与える影響
コンビニやスーパー、どこに行っても数多くのミネラルウォーターを目にします。日常的に飲むことを目的としてミネラルウォーターを購入されている方も多くいると思いますが、そのまま飲んでもおいしいお水は料理や飲み物作りにも積極的に使いたいもの。
ミネラルウォーターが与える影響については上記の「軟水」か「硬水」かの項目で説明した通り。どのように仕上げたいかによって、軟水か硬水かを選ぶと良いでしょう。
水の使い方
最後に水の使い方についておさえておきましょう。料理や飲み物をおいしく仕上げるためには、水の種類だけではなく、使い方もポイントとなってきます。
使い方1. 「温度」
全ての料理・飲み物において、温度は重要となります。例えば…
- ・野菜をゆでるとき、煮物をするときの水温
- ・調乳ミルクを作るときの温度
- ・麺生地をこねるときに使う温度
など。これらのときに使う水の温度が悪いと、おいしくない・形が崩れてきれいに仕上がらない、食材がもつ栄養素が壊れてしまうなど、さまざまなところでマイナスとなってしまいます。料理雑誌やネット等でも、料理に適した温度の情報などを得られます。「温度まで気にするのは面倒だ」と言わず、積極的にこだわってみましょう。
使い方2. 「使用方法」
水を「どのような目的」で使うかも大事。料理で水を使うと言えば、「煮る」「ゆでる」を思い浮かべるかもしれないですが、それだけではありません。他にも…
- ・煮る
- ・ゆでる
- ・洗う
- ・だし取り
- ・蒸す
- ・つける
- ・冷やす
などさまざま。アクを抜くためにすぐにゆでるなど、麺をゆでた後に冷水にあてて締めることは、料理をおいしく仕上げるための下ごしらえ。水をどんな食材に、どのような目的で、どんな風に使うのか使い方が知れれば、より料理・飲み物作りが楽しくおいしくなるでしょう。
まとめ
使う水が料理や飲み物の仕上がりに大きく影響することはご理解いただけましたでしょうか?素材本来の味や香りを引き出すために水選びは重要です。また、使う水によっては素材がもっている栄養素を壊してしまったり、仕上がりの形が崩れてしまったりなんてこともあります。今回の内容を参考に料理・飲み物作りにチャレンジしてみてください。